餃子の皮いろいろ

餃子の皮いろいろ
普段何気なく手にする皮で作っていることが多いかと思いますが、実はいろいろな種類の皮あります。それぞれ特徴がありますので覚えておくと便利です。
皮の種類
1.通常タイプ

上記が通常タイプの餃子の皮です。小麦粉のみで作ってあり、「小判」「レギュラー」などのサイズがあります。左側は小判、右側はレギュラーで、小判の方がほんの少し小さくなります。大手だとモランボンの「レギュラーサイズ」がよく見かけられます。
小麦のみで作ってあるため、適度なはぎれとカリッとした食感が楽しめ、フライパンいっぱいに詰めて焼いても、餃子同士がしっかり離れます。いつもの家庭の定番餃子に向いています。
2.大判タイプ

同じ小麦のみで作った皮でも「大判」と書いてある皮で、通常のものよりも一回り大きい皮になります。大判でもさらに、厚いもの、薄いものに分かれます。
厚いタイプはかなり皮に噛み応えがあり、皮の存在が大きくなるので、タネもインパクトのあるものが向いています。肉々しい餃子や粗挽きのひき肉を材料のメインにして作る場合、パクチーをきかせるなどアジアンテイストのインパクトのある餃子を作る場合におすすめ。家庭で作るいつもの餃子だと、タネの存在感が皮に負けてしまうため、あまり向きません。
薄いタイプはいつもの家庭の餃子を包むのに向いています。大判な分、一度にたくさんの量を包めるので、包む作業の回数を減らすことができます。包むときに多少破けやすくなるので、詰めすぎには注意しましょう。口の中での存在感も控えめです。
3.もち粉、米粉を使った皮

最近では、左側のような「もち粉」入りのもの、右側のような「米粉のみ」で作った皮も売られています。
もち粉入りは、包みやすさはナンバーワン!もち粉のパワーで伸びがいいので、多めのタネもなんのそので包めます。ただし皮が破れやすいのが特徴なので、フライパンにギューギューに詰めて焼く場合には向きません。焼き上がりに餃子と餃子を箸で離すと、皮がうまくはがれずに破けてしまい中が飛び出てしまうことも。皮をきれにはがして食べたい時には避けた方がいいでしょう。
少なめの個数で少し間をあけて列にして焼く場合に選択するといいと思います。
もち粉入りは、水餃子にするととてもモチモチとしておいしいです。やはり破けやすいという特徴はあるので、ゆでるときは気をつけましょう。優しく扱うことが大切です。
米粉の皮は、包む難易度としては一番上だと感じます。小麦粉の皮と違い、水を付けるとぬめって皮同士を合わせにくくなるためです。皮の色がとにかく白いのが特徴。焼きも入りやすいので、いつもの感覚で焼くと少し焦げ気味になる場合もあります。
小麦アレルギーで餃子が食べられない、グルテンフリーの生活をしている、という場合などにおすすめです。
それぞれの皮の見た目の違い

小判、レギュラータイプは直径8cm台(小判の方が2㎜小さい)、大判タイプは9.5cmほどなります。少しの差に感じますが、手に取った感じ、そして焼き上がった感じは全然変わります。
もち粉入りや米粉のみは9cmほどで両者の間ほどの大きさですが、これはメーカーによりいろいろになると思います。米粉の皮は本当に真っ白です!

私は、小麦粉のみで作った小判タイプを好んで使います。皮離れもよく、皮の存在感が主張されしすぎないので、家庭の王道餃子のおいしさを楽しめるからです。
それぞれを焼いたときの違い

それぞれを同じフライパンに入れ、同じ水分量、同じ時間焼いたものの比較です。
小判
モランボンの皮よりは薄く、少しだけ小さいので、一口餃子のような感覚。パリッと焼け、適度な噛み応えがあり、他に一緒に焼き上げた餃子との皮離れもいいです。エッジがわりときれいに出ます。
モランボンレギュラー
上記小判よりも少しだけ皮が厚めになり、大きさもちょっぴり大きいので、よりしっかりとした食感を感じます。もち粉の皮を食べなれている場合だと、わりと噛み応えを感じるかもしれません。とはいえ、王道な感じで焼き上がります。もちろん他の餃子との皮離れも問題ないです。
大判薄め
パリッと感は小判やレギュラーよりは劣りますが、家庭で作るいつもの餃子との相性はいいと感じました。皮が薄くなる分、あまり詰めすぎて焼くと皮が破けてしまうので、適度な個数で並べて焼くといいです。私が使っている小判と同じメーカーのものなので、エッジはわりときれいに出ました。
大判厚め
まず、お箸でもった感じが通常の餃子とまったく違い、どっしりとした感じを受けます。食べても皮の存在感をかなり感じ、とても噛み応えのある餃子になります。やはり「肉まん」のような感じで肉々しい具をつめるといいでしょう。皮離れはとてもいいです。腹持ちもいいです。育ち盛りのお子さんなどには、肉:野菜=1:1で作り、この皮でがっつりお腹を膨らめてもらうのもひとつの方法かと思います。
もち粉入り
焼きはわりときれいにまんべんなく入ります。こんがりと上手に焼くとカリッと感が楽しめますが、小判やレギュラーほどではありません。焼き面以外はモチモチ(言い方によってはべた付く感じがある)するので、つめて焼くと餃子同士の皮がくっついてしまい、食べる時に端で話すとはがれやすいです。もち粉入りを使う場合は、それぞれを離して焼き、羽根つき餃子のような楽しみ方をするのがおすすめです。
米粉入り
焼色が一番つきます。そして皮の食感はとても独特です。皮は硬めではぎれのいい感じ。餃子に合わない感じでは全然ありませんが、おいしさを追求する場合や特別な理由がない限りは、第一選択にはならないという印象です。食べ比べをした場合は米粉感がよくわかりますが、これだけ単独で出された場合はここまでの違いは感じないでしょう。もち粉同様、焼くときに詰めすぎには注意しますが、もち粉のような破れやすさはありません。揚げ餃子とは相性がいいと思います。
他にもいろんな皮が各会社から出ていますので、いろいろ試してみると新しい気づきがありますよ!その際は成分表をよく見るようにしてみましょう。
動画
YouTubeに浜松餃子の動画をアップしています。どなたでもご覧いただけます。
執筆者
家庭料理研究家:JUNA(神田智美)