タルトタタン
難易度 ★★★★☆
![]() ![]() |

紅玉の季節になったらぜひ作ってみてほしいタルトタタン!
カラメルで煮詰め、さらにオーブンで深く焼いていくお菓子です。ゼラチンなどは使わず、紅玉の「ペクチン」を利用して焼き固めるケーキです。
最後「ひっくり返す」のがその大きな特徴。
土台は基本クッキー生地で作りますが、お手軽に冷凍パイシートを使って焼くこともできます(アレンジ参照)。
材料(マンケ型5寸 ※15cmのケーキ型でも)
- 紅玉りんご・・・6個
- りんご用グラニュー糖・・・りんご総重量(正味)の15~18%
甘さを控えたい場合は15%ほどで作りますが、紅玉はとても酸味が強いので基本は18%がおすすめ。バニラアイスを添えない場合は、酸味がかなり強い場合は20%ほど入れてもかまいません。 りんごの皮や芯などを取り除いた状態で重量を計って量を決めます。 |
- 無塩バター・・・りんご総重量(正味)の5%
- バニラペースト・・・小さじ1~
- 型底用グラニュー糖・・・大さじ2ほど
- 水・・・少々
<タルト生地>
- 薄力粉・・・100g
- 無塩バター・・・60g
- 粉糖・・・50g
- 溶き卵・・・25g
- 塩・・・ひとつまみ
ここでは「サブラージュ」という技法でタルト生地を作っていきます。 ※難易度が下がる「シュガーバッター法」で作ることも可能です。 シュガーバッター法で作りたい場合は、以下の「型抜きクッキー」の作り方をご覧ください。 ![]() |
<その他>
- バニラアイスクリーム・・・お好みで
準備
■ タルトに使う薄力粉、粉糖、塩は一緒に合わせて2回ふるい、冷蔵庫で冷やしておく。
■ バターは1.5~2cm角に切り、冷蔵庫で冷やしておく。溶き卵も冷蔵庫に入れておく。
■ 型に離型油をスプレーし(または油を付け)、ペーパーなどで薄くなじませておく。
■ タルト生地を休ませ終わったら、オーブンを170℃に予熱する。
■ りんごを型に入れる前に、オーブンを170℃に予熱する。
作り方
<タルト生地を作って焼く>
1.大き目のボウルに、合わせてふるっておいた薄力粉、粉糖、塩を再度ふるいながら入れ、バターも加えて、カードでバターを切るようにして粉と合わせていく。バターの大きさが小豆大~米粒大くらいになればOK。


2.1を両手でこすり合わせる「サブラージュ」という作業をする。はじめは強めにこすりあわせていき、粉全体が粉チーズ状になるまで何度もこすり合わせる。
※ページ下部の動画を参照するとわかりやすいです。

3.2に溶き卵を加え、カードで卵に粉をかけるようにして合わせていき、最後カードで少しこするようにして生地をまとめる。まとまった生地はラップに包み、冷蔵庫で1~2時間休ませる。
※急いでいる場合は冷凍庫で10~15分ほど休ませてもOK。




4.作業台に打ち粉(分量外:強力粉を用意)をまき、3を型の底より一回り大きくめん棒伸ばす。型の円より少し外側を丸く切り出す。型の大きさに近いセルクルがあればそれを使っても。

※残った生地はクッキー型で抜いて楽しめます。
5.クッキングシートやシルパンを敷いた天板に6をおき、170℃に予熱完了したオーブンで25~30分ほど焼く。焼き上がったらケーキクーラーにとって粗熱を取り、袋などに入れておく。

※余分な生地で作った小さなクッキーは10分ほどで取り出します。
<りんごをカラメルと合わせ、型に入れて焼く>
1.りんごは皮をむき(皮は使うので捨てない)、1つを6~8つのくし形切りにして芯などを取りのぞく。

※ここでりんごの総重量を計って砂糖の量を決めましょう。
2.小さめのフライパンに型底用グラニュー糖と水小さじ1ほどを入れ、サッとなじませて中火にかける。スプーンなどで混ぜないようにしながらしばらくブクブクと煮立て(混ぜると濁るため)、周りが茶色くなりはじめたら大きくフライパンを回し、色が均一のカラメルを作る。型に手早く流し入れて広げる(色味は作り方3参照)。
3.別の大きなフライパンにりんご用グラニュー糖の半量(だいたいでOK)と水大さじ1ほどを入れてサッとなじませ、上記作り方2と同じようにカラメルにする。



4.3にバターを加えて一気に溶かしたら、りんご、残りのグラニュー糖、りんごの皮を入れ、ヘラでからめながら加熱する。


※フライパンが小さい場合などは、皮を2回にわけて加えます。最初に入れた皮のかさが減ったら、残りの皮を加えるようにしましょう。
※火加減のメインは中火、焦げそうなら時々弱めの中火にします。絶えずヘラで返しながら焦げ付きを防止します。
5.りんごから出た水分がだいぶ飛んで煮汁がトロッとしてきたら、皮を取り出してネットなどに入れ、食品用ゴム手袋をした手で皮に残った成分などをすべて絞り出す。
※この皮の部分に、紅玉ならではの真っ赤な色素と、りんご同士を合わせて固めてくれる「ペクチン」(ジャムを作る時にトロっとする成分はこれ)がたっぷりと入っています。


6.5にバニラペーストを加えて、全体をやさしくなじませる。りんごがいい色になりツヤが出たら火を止める。
※ここからは煮崩れる心配が出てくるので、あまり激しくヘラで返さないようにします。

7.2の型の円周上にトロッとした煮汁をスプーンで入れ、6のりんごをすき間なく並べる。残りのトロッとした煮汁もすべてヘラでこそげとるようにして型に入れる。
※並べ方は動画を観るとわかりやすいです。

7.170℃に予熱完了したオーブンに6を入れ、50~60分ほど焼く。ただし合間にりんごが膨らんでくるので、何度か大きめのスプーンで表面をおさえる作業を加える。周りにあふれ出たカラメルはスプーンで型にもどしていく。

8.りんごのふくらみが落ち着いて動きが止まったら天板ごと取り出し(オーブンの扉はすぐに閉める)、上面をスプーンでならして5のクッキーをのせ、軽く押さえる。再びオーブンにもどし、3~4分焼く。


9.焼き上がったらケーキクーラーに型ごととる。
<冷まして型から出し、仕上げる>
1.バットに保冷剤+水を入れ、型の底を浸けてなるべく早く粗熱を取ったら、ラップ、アルミなどを型の上にかけて冷蔵庫で一晩冷やす。
2.型の周りに蒸しタオルを巻き、細いヘラなどで一周ぐるりとして、盛りつける皿に型ごとひっくり返して置く。さらに上になった型底面にも蒸しタオルを当て、皿に落とす。
3.あればミントなどで飾り、完成。カットした時、バニラアイスをのせる。



ポイント
オーブンの焼き時間はあくまで目安です。お使いのオーブンによって焼き上がりは様々ですので、それぞれのクセに合わせて調節してください。思った以上に焼く!というのが大きなポイントです。
使用オーブン:東芝石窯オーブン ER-VD7000
紅玉は10月~11月くらいに市場に出ます。12月でも見かけることがあります。旬を過ぎると粉っぽいものに当たることがあり、その場合は煮崩れやすくなるので注意します。
カラメルは、ほろ苦さを出したい場合はグッと深い色になるまで加熱します。
加熱したりんごは型に入れたまま冷凍することが可能です。ただしブリキの型で冷凍すると変色や錆の原因になるので、その場合はステンレスやフッ素加工の型を選びます。
使用した型はこちら。

ちなみに15cm丸型で焼き上げるとこうなります。


薄力粉は「エクリチュール」を使っています。ホロホロとした感じに仕上がります。

バニラペーストはバニラビーンズなどで代用してもOKです。※バニラペーストの方がお手軽です。

調理器具
タルト生地:粉ふるい器、ボウル、カード、作業ボード、麺棒、ラップ、型など
りんご部分:包丁、まな板、フライパン(大28cm・小20cm)、ヘラ、さらしネット、食品用手袋など
さらしネットはこちらを使っています。
焼成時:クッキングシート、大きめのスプーンなど
アレンジ

マフィン型を使って小さく焼くこともできます。この方が失敗が少なく、かつきれいに焼き上がります。
底になるクッキー生地は6cmのセルクルで抜き、フォークで穴をあけて180℃で15分弱焼成。
マフィン型に入れたりんごは170℃で35分焼き(途中何度かスプーンで上面を整えています)、その後焼き上げたクッキーをのせて1分半ほど仕上げ焼きをしています。

タルト生地を「冷凍パイシート」に置き換えて、お手軽に作ることもできます。
①軽く解凍したパイ生地に打ち粉をまいて2~3mmの厚みまで伸ばし、型の大きさより一回り大きく包丁でカット(パイシートは縮みやすいため)。
②丸いケーキ型などに①を入れてクッキングシートを当て、上に重石をのせて170℃で30分、重石をとって180℃に上げ、7~8分焼きます。
③あとはタルト生地の時と同じように焼き上げます。
パイシートはこちらがおすすめ。

動画
このレシピについて
2019年11月、ブログ「Quality of Life by JUNA」にタルトタタンのレシピ初投稿。その後レシピは進化しながら上記に落ち着く。
2023年11月 YouTubeに動画を公開